信州の伝統野菜「番所きゅうり」

2009.8.5
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平成21年5月7日に松本市安曇地区の番所きゅうり(ばんどころきゅり)は長野県が支援する信州の伝統野菜として認定されました。
当サイトでも「希少食材発見 番所瓜(ばんどこうり)」で紹介されています。
もっと知りたくなり乗鞍生産者組合の方に話をお聞きしました。
番所きゅうり1番所きゅうり2


伝統野菜として認定された名称はばんどころきゅうりですが、地元の方はばんどこうりと言っています。
乗鞍近辺では、「うり」と言えば西洋キュウリのことではなく、番所きゅうりを指すほど一般的なものなのです。

西洋キュウリの3倍ほどの太さがあります。持ってみると、ちょっと重たいです。西洋キュウリがこの太さになると皮が厚くなりますが、番所きゅうりは皮が厚くありません。皮にツメで傷をつけて割ることができます。割った口から汁がにじみ出てきます。食べてみるとその瑞々しさがよくわかります。
昔は畑仕事や山に行くときには水分補給のために番所きゅうりを持って行き味噌をつけて食べたそうです。
番所きゅうり7番所きゅうり4


猿から守るために電気が流れる柵が張り巡らされている畑の中に番所きゅうりはありました。花や葉が西洋キュウリに比べて大きいです。
西洋キュウリより、かなり背が高い番所きゅうり6大きな葉雄花雌花

良く見ると雌花の付け根には小さな瓜ができています。

少し日が経つと熟すため皮が黄色くなってきます。この黄色くなったのがまたおいしい!種がプチプチ、周りの果肉がカリカリです。
みずみずしい、切り口。 滴りそうです。番所きゅうり5種採り用
番所きゅうりの種は生産者が自家採取しています。種を取るために既に完熟させている瓜がありました。
種を採るのはとても大変なことです。西洋キュウリやズッキーニと交配してしまうため、近隣の方にはなるべくそれらを作らないようにお願いしているそうです。番所きゅうりは作るもの、西洋キュウリは買うものとして考えているそうです。
番所きゅうりの種を番所以外の土地で栽培しても同じようにはできないそうです。番所限定の貴重な瓜です。

今年(2009年)は雨が降り日照不足のため、8月1日現在では生産量はあまり多くありませんが、例年はお盆の頃から多くなり9月中旬までは食べられるそうです。
乗鞍岳の頂上で是非食べたい番所きゅうりです。キャンプの食事の一品にも是非加えていただきたいものです。

番所きゅうりを買える場所
乗鞍観光センター 地図

お問い合わせ先
乗鞍生産者組合 事務局 電話93-2726

【市民記者:チーム食いしん坊 文責:小林】